眼科診療

硝子体手術

硝子体手術について

硝子体(しょうしたい)は、眼球の大半を占める透明な卵 白のようなドロッとした組織であり、眼球の形を保ち、中に入る光を屈折させる役目をしていますが、この硝子体が様々な原因で網膜を引っ張ったり、濁ったり、出血することによって目の障害を引き起こします
この硝子体腔に起こった疾患を治療する方法の1つとして硝子体手術があります。

当院においては主に副院長が硝子体手術をおこなっていますが、他施設での出張手術も合わせると、年間300例を超える豊富な硝子体手術の執刀経験を有する網膜硝子体疾患のスぺシャリストです。熟練の技術と大学病院や総合病院に並ぶ最新の医療設備を整えた当院では、安全な日帰り硝子体手術を行っています。

当院では、最新型の硝子体手術装置『Constellation』(アルコン社)+広角眼底観察システム『Resight』(ツァイス社)が2列で稼働中

手術方法

当院においてはすべての硝子体手術は局所麻酔で行います。
手術室で眼の消毒をした後に眼の下の部分に麻酔の注射をします。

それでも痛みに過敏な方には、術中に適宜に麻酔を追加することでほとんどの痛みを取り除くことが可能です。

白目の部分に創口をあける

まず白目の部分に手術機器を挿入する小さな穴(創口)を3か所あけますが、次のような目的があります。

1つ目術中に眼球の形態を保つための灌流液を流すため
2つ目眼内を照らす照明を入れるため
3つ目硝子体を切除するカッターと呼ばれる器具やピンセットなどのセッシやレーザープローブを入れるため
病的な硝子体の切除・膜を取り除く

出血などで濁った硝子体をカッターで切除し、切除した分量だけ眼内に灌流液が入り、置き換わっていきます。その後は疾患により、網膜上に張った膜をピンセットのような器具でめくったり、増殖膜と呼ばれる分厚い膜を切り取ったり、網膜にレーザーを照射したりと必要に応じて処置を行います。
網膜剥離や黄斑円孔などの疾患は、灌流液をガスに入れ換えて手術を終えます。ガスを注入した患者さんは術後数日間うつむき姿勢が必要になります。 これ以外に、白内障に罹っている患者さんは白内障手術も同時に行うことがあります

最近の硝子体手術の進歩

ここ数年来の硝子体手術の技術の進歩によって、白内障手術と同じように低侵襲な日帰り手術をめざして、創口がどんどん小さくなり、現時点での最小の切開創はわずか0.4mmです(27ゲージ小切開硝子体手術システム) この最新のシステムによる硝子体手術では、殆どの症例では無縫合で手術を完遂できますので、日帰り手術を実現できるのみならず、術翌日から写真の通りのきれいな仕上がりになっています。

症例写真

黄斑前膜の術翌日の前眼部写真ですが、手術した創はほとんどわかりません。

手術の注意事項

  • 内科疾患のある方は、手術前に主治医に確認しますのでお薬手帳をお持ちください。
  • 手術時間は疾患によりますが、軽症なら30分、重症の場合は1-2時間かかります。
  • 硝子体手術と同時に白内障手術が必要な方は、白内障術前検査も行います。
  • ここ数年来の手術の進歩によって、ほとんどの疾患は短時間の手術で日帰り手術が可能となりましたが、全身状態が不良などを理由に入院をご希望の患者様には、連携の医療機関をご紹介いたします。
  • 手術内容や術後視力は、患者様の病気の状態によってさまざまです。手術前に主治医から詳しく説明させて頂きますのでご安心下さい。
  • 手術後の視力は、手術前の病気の状態によって大きな差があります。手術が必要となったら、視力の回復のためにも時機を逃さず、なるべく早い段階で手術を受けることが大切です。

術後のうつむき姿勢について

手術終了時に硝子体内にガスを注入した場合、術後にうつむき姿勢が必要となります。黄斑円孔や網膜剥離の方は必須です。

硝子体手術によって視力改善が期待できる疾患

硝子体手術の合併症

出血

手術後に、眼内に出血(硝子体出血)が生じることがあります。出血が少量であれば自然吸収を待ちますが、吸収が遅い場合は再手術をして取り除きます。 手術中に血圧が上がったり、強く緊張する、咳き込むなどの負荷が加わると、目の奥にある動脈から急激な出血が起こることがあります。これを駆逐性出血と言います。このような出血の頻度(10,000例に1例)はきわめて少ないのですが、視力が大きく損なわれ、失明に至ることもあります。

網膜剥離

術後に網膜剥離が起こることがあります。この場合、網膜を元の状態に戻すために、再手術を必要とします。

角膜障害

角膜の機能が元々悪いと、手術を契機に角膜表面に傷がついたり、角膜が濁ることがあります。

緑内障

手術後に眼圧が上がることがあります。点眼、内服で治療をしますが、眼圧が下がらない場合には、緑内障の手術を必要とすることがあります。また糖尿病網膜症の勢いが強いときには、虹彩や隅角に新生血管が現れて血管新生緑内障という治療の困難な状況になり、失明に至ることもあります。

感染症

手術後に極めてまれに目の中に細菌が入ることがあります(眼内炎)。目は閉鎖空間なので、毒性の強い細菌が入ると、かなり視機能が下がってしまい、失明に至ることもあります。

治療スケジュール

手術申し込み
通常は申し込みから2週間〜1か月で手術を行っておりますが、緊急手術にも対応します。
術前精密検査
手術を申し込みいただいた方には、手術に必要なデータを詳しく検査致します。また、手術を受ける際に全身状態に問題がないかをかかりつけ医に相談致します。
手術前の点眼
手術3日前の朝から手術当日までの間、抗菌剤の点眼をしていただきます。1回につき1~2滴を点眼してください。
手術当日
手術の約1時間前に来院していただきます。手術当日の朝食、昼食は通常通りでかまいません。心電図、血圧計など装着しますのでゆったりした服装で来院してください。来院の際にはご自分で車やバイクの運転をしないでください。手術終了後、しばらく院内で休息していただいたのち、注意事項の再確認をおこないます。特に、術後にうつぶせが必要な方は15分ほど練習していただきます。その後、保護眼帯を装着したまま、お帰りいただきます。
術後検診
手術翌日は朝一番の診察で予約をおとりしますので、保護眼帯をしたままご来院ください。手術翌日から眼帯装用も不要になりますが、目の状態が安定するまでの約1~3ヶ月間の点眼治療が必要となります。 硝子体手術の場合、視力が安定するまで数ヶ月かかることが多いです。激しいスポーツ、飲酒、長期の旅行などは医師の許可が出てからにしてください。術後3日間、1週間後、2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後以降は適時、診察と検査を行います。 万が一、異常を感じた場合は決められた受診日以外でも早めに受診するようにしてください。

費用

治療は全て保険診療で行い、手術の種類によって料金が変わります。
1ヶ月の医療費が高額になる場合は、高額医療保険が使える場合があります。詳しくはスタッフまでお問い合わせ下さい。