レーザー白内障手術
レーザー白内障手術とは
日本では、2014年8月に白内障手術用フェムトセカンドレーザー装置として、アルコン社のLenSx(レンゼックス)が国内で承認されました。2017年8月現在、日本ではまだ30台に満たないですが、世界では500台以上が稼動しており、急速に広がりつつあります。
レーザー白内障手術の特徴は、通常の白内障手術では熟練した術者によって行われていた手術工程が、コンピュータ制御されたレーザーによって自動化されるため、正確性と安全性、再現性が向上したことです。一般的な白内障においては、通常の白内障手術とレーザー白内障手術の結果においては大きな差はありませんが、進行した白内障や角膜が弱い場合などの難しい白内障手術を行う際は、レーザー白内障手術の方がより安全に手術を行うことができます。
レーザー白内障手術のビデオ
通常の白内障手術のステップ
ステップ1.角膜切開
メスを使って黒目と白目の境に切開創を作成します。
ステップ2.前嚢切開(CCC)
水晶体を包んでいる嚢(のう)の前面に丸い開口部を作成します。
ステップ3.水晶体の乳化吸引
小型手術器具を角膜切開創から挿入し、超音波エネルギーで水晶体を小さく砕いて吸引除去します。
ステップ4.眼内レンズ挿入
インジェクターを用い水晶体嚢に眼内レンズを挿入します。眼内レンズは眼の中でゆっくりと開きます。
レーザー白内障手術のステップ
手術計画
目の状態に応じて最適な手術プランを作成します。
ステップ1.角膜切開
レーザーを使って最適な位置に正確に切開します。
ステップ2.前嚢切開(CCC)
レーザーを使って最適な位置に、正円に前嚢を切開します。
ステップ3.水晶体の核分割
レーザーを使って、最適かつ容易に超音波で乳化吸引できるようにあらかじめ分割します。
白内障検査器機や眼内レンズの進歩
手術そのものの進歩だけではなく、白内障検査器機や眼内に挿入する眼内レンズの進歩もめざましいものがあります。
目はレンズのような構造をしており、角膜と水晶体のバランスによって近視や遠視、乱視が出てきます。最新の器械を使って、お一人お一人の目の形状を詳しく分析することで、それぞれにあった最適な眼内レンズを選ぶことができまず。
当院は、九州・四国で初めて、下記のベリオン+オラシステムを併用したレンゼックスレーザー白内障手術ができるようになりました。
Verion(ベリオン)
ベリオンは、手術前に患者様の目の形を解析し、手術の際に最適な切開部位や乱視の軸をどこに置けば良いかを、前嚢切開をどのくらいの大きさで行えばよいかなどを手術中にガイドしてくれます。これまでは、目の血管の位置を目安に切開部位や乱視軸の位置を決めたり、経験に基づいて前嚢切開を行っていましたので、ベリオンを使うことで、より誤差のない手術ができるようになりました。
また、レーザー白内障手術装置(レンゼックス)を使用する場合は、ベリオンのデータを共有することで、さらに精度の高い手術が可能となりなす。乱視用眼内レンズで補正できないような乱視がある場合には、乱視を軽減する手術を同時に行うこともできますので、より精度の高い手術が可能です。
ORA(オラ)システム
前述のベリオンを用いて、手術前の検査データ通りに手術をできても、まれに術後の屈折値(近視・遠視・乱視)が少しずれてしまうことがあります。その理由としては、手術前の近視や遠視が強い、白内障が強すぎる、レーシック手術後である、などの場合があります。
オラシステムは、白内障手術中の眼内レンズを入れる直前に、挿入する眼内レンズが最適かどうかのチェックをすることができます。また、乱視用眼内レンズを挿入する際は、挿入後に本当にそれでよいかのチェックもできます。
オラシステムを使用することで、白内障手術後に予想と少し違う結果になった、というまれな状態を避けることが可能となりました。
ただ、残念ながらここまでやっても100%なくなるわけではありません。
費用
自費診療で多焦点眼内レンズ+レーザーを用いて白内障手術を行う場合
手術費用 | 片眼715,000円(税込)、両眼1,430,000円(税込) |
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自費診療となり、手術代・手術前検査・術後6か月までの診察・薬代を含んだ金額 です。