疾患と治療

オルソケラトロジー

オルソケラトロジーとは

夜、コンタクトレンズを装着することで「昼間は裸眼で過ごせる」という近視矯正法です。

1940年代頃より米国で研究されています。初期にはごく軽い近視しか治せませんでしたが、レンズデザイン改良、高酸素透過性素材の開発などにより、近年になって飛躍的に進歩しました。 現在使われているレンズは1997年頃より、米国で急速に普及しはじめました。すでに欧米、中国、韓国などでも広まり100万人以上がこの治療を受けています。

日本では平成12年にこの治療法が導入され、現在では全国でこの治療をおこなっています。

治療について

厚生労働省と米国FDAで認可された特殊な角膜矯正用の高酸素透過性コンタクトレンズ(マイエメラルド)を使って治療します。

一度の装用で効果が半永久的に持続するのではなく、就眠時装用を続けている間、「昼間は良好な裸眼視力を維持できる」というものです。装用感は普通のハードコンタクトレンズと遜色なく、就眠時だけの装用なので目への負担も日中にコンタクトレンズをするのと同等もしくはそれ以下ともいわれています。就眠時装用後の効果持続時間は1~3日程度で個人差がありますが、装用期間が長いと効果の持続時間が長くなります。手術と違って中止するとしばらくして元へ戻るので安心です。軽度~中等度の近視であれば、最初の数時間のテスト装用だけで、劇的な視力回復を体感できます。欧米では子供の治療も幅広くおこなわれています。

平成22年9月1日付で当院が使用している角膜矯正用コンタクトレンズ(マイエメラルド)が厚生労働省の認可を得ました。今後も安心してご使用いただけます。

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角膜形状矯正の仕組み

就寝前
就寝前就寝前にオルソ・ケーレンズを装着。
睡眠中
睡眠中睡眠中に角膜が矯正される。
翌日
翌日翌日レンズを取り外すと、視力回復。

適応

  • 軽度から中等度の近視の方に適しています。(年齢20歳以上、近視度数-5.5D以下、乱視度数1.5D以下が望ましい)
  • 職業上メガネやコンタクトの装用が難しい、特殊な業務に就いている方、ホコリや風が多い環境で仕事やスポーツをする方、ドライアイの方(重症例を除く)、花粉症などのアレルギーの方(重症例を除く)、パソコン業務など主でドライアイの症状が出やすい方などに適しています。
  • 強度近視の方、他の眼疾患のある方には不向きです。

医師からのアドバイス

眼鏡やコンタクトレンズが適さない職業やスポーツをされる方にとって「裸眼で過ごせる」ことは多くのメリットがあります。オルソケラトロジーや有水晶体眼内レンズ(ICL)はその願いを叶える手段となりえると思います。

コンタクトレンズで生活されている方でも、ホコリがするスポーツをされている方やホコリがする職場で働かれている方、花粉症などのアレルギーの方、パソコン業務で日常ドライアイが出る方、コンタクトレンズ装用の時間が長くなってしまう方などはオルソケラトロジーにより生活がしやすくなることがあります。

オルソケラトロジーはレーシックや有水晶体眼内レンズ(ICL)などの手術と違って、施術後もレンズの装用をやめると元に戻るので、「手術が不安な方」にもお勧めできる方法です。それぞれの手段の利点・欠点を考慮し、もっとも御自身にあった選択肢を選んでいただけるようアドバイスさせていただきます。

スケジュール

事前検査とカウンセリング
各種検査をおこない、オルソケラトロジーが可能か判定します。検査結果によっては、通常のコンタクトレンズやメガネ、トレーニング、薬物療法あるいはLASIKに代表されるレーザー近視手術など、貴方にあった最善の方法をアドバイスします。
トライアルレンズ装用(要予約)
角膜形状解析装置で計測したデータであわせたトライアルレンズの試験装用(約2時間)※早い方では試験装用だけで、その効果を体感できます。
治療開始
十分な取扱説明、装用練習をおこない、治療を開始
定期検査
翌日、1週間、2週間、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、9ヶ月後、12ヶ月後に定期検診

費用

手術代・手術前後の検査・診察・薬代は、全て自費診療となります。詳しくは当院までお問い合わせ下さい。