疾患と治療

角膜手術

角膜手術について

当院では、角膜手術として、エキシマレーザーによる治療的表層角膜切除術(Phototherapeutic Keratectomy: PTK)と角膜内皮移植術(DSAEK)の2つの手術を行っております。

治療的表層角膜切除術(PTK)

エキシマレーザーによるPTKの治療対象となるのは、角膜ジストロフィ(顆粒状角膜変性症やアベリノ角膜変性症など)や帯状角膜変性、角膜混濁、角膜白斑などにより視力障害のある症例です。角膜の濁りをすべて除去するわけではなく、視力に影響している混濁を除去しますが、角膜の厚みが減るために遠視化してしまいます。そのため、術後に眼鏡やコンタクトレンズが必要になることがあります。

手術は数分で終了しますが、手術後は痛みが出るため、痛みを軽減する目的と、傷が早く治る目的で数日間ソフトコンタクトレンズを装用します。傷が治って痛みがなくなったら、コンタクトレンズをはずしますが、視力回復には1,2週間以上かかります。

手術前と手術後1か月

角膜内皮移植(DSAEK)

角膜の内側にある内皮細胞だけが障害されている場合、以前は全層角膜移植(角膜全層を切除して、ドナー角膜全層を移植する術式)が行われていましたが、最近は障害された内皮層のみを取り替える手術を行います。角膜周辺部にあけた数ミリの切開創から患者様ご自身の内皮層を取り除き、ドナー角膜の内皮層を眼内へ移植し、さらに空気を入れてドナー角膜を接着させます。深層実質の一部と内皮層を移植する方法(DSAEK)を当院にて施行しています。

わが国では、白内障手術後、レーザー虹彩切開術後、緑内障手術後の水疱性角膜症に対して行われることが多いです。全層角膜移植に比べて、角膜移植後の高度の乱視を防止でき、拒絶反応も軽減されており、手術後早期から良好な視力が得られることがありますが、視力が回復するのには数週間かかることもあります。

当院では日帰り手術で行っています。手術後3時間ほど仰向きの状態で休んでいただき、角膜内皮が接着しているのを確認して帰宅していただきます。もし、接着不良な場合は空気の追加注入などの処置を行います。

角膜内皮移植術のシェーマ(日本眼科学会、日本角膜学会より引用)

手術前と手術後1か月

手術費用

治療は全て保険診療で行い、手術の種類によって料金が変わります。
1ヶ月の医療費が高額になる場合は、高額医療保険が使える場合があります。詳しくはスタッフまでお問い合わせ下さい。